日本データベース学会

dbjapanメーリングリストアーカイブ(2004年)

DE 研チュートリアル「データ工学における情報セキュリティ」



  日本データベース学会の皆様
  ACM SIGMOD 日本支部の皆様

  京都大学の岩井原です.

 データ工学研究専門委員会第二種研究会のチュートリアルとして企画しました
チュートリアル「データ工学における情報セキュリティ」についてご案内させて
頂きます. 昨今問題となっている個人情報保護や,Webサービス,XML,
ユビキタスコンピューティングにおけるセキュリティ,プライバシーを,それぞれの
分野の第一線で活躍されている講師の方々から,データ工学との関わりを踏まえ
ながら解説していただきます.
 多数のご参加をお待ちしております.

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  電子情報通信学会
  データ工学研究専門委員会 (DE) 第二種研究会
  チュートリアル
    「 データ工学における情報セキュリティ」

 電子情報通信学会データ工学研究専門委員会
 専門委員長: 横田治夫 副委員長: 角谷和俊・佐藤哲司
 幹事: 宮崎純・富井尚志 幹事補佐: 岩井原瑞穂

 データベースやWebサービス, XMLなどの基盤技術を通じた情報流通が活発に
なるにつれ,個人情報保護やシステム防御などの情報セキュリティが重要性を
増しています.またユビキタスコンピューティングにおいてもプライバシやセ
キィリティの確保が必須とされています.本チュートリアルでは,個人情報保
護法などの法制面,WebサービスやXMLアクセス制御,認証基盤,ユビキタスコ
ンピューティングの技術動向や標準化動向について,それぞれの分野に精通し
た講師の方々からチュートリアル講演をしていただきます.多数の御参加をお
待ちしております.


[日時]  11月5日(金) 9:25 - 18:15

[会場]
      東京工業大学 大岡山キャンパス 西8E号館10階 大会議室
      〒152-8550 東京都目黒区大岡山2-12-1

[会場へのアクセス]
  大岡山キャンパスまでのアクセス:
  http://www.titech.ac.jp/access-and-campusmap/j/o-okayama-campus-j.html
  キャンパス内地図 (図中 24 番の建物が会場です):
  http://www.titech.ac.jp/access-and-campusmap/j/o-okayamaO-j.html

[プログラム]
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9:25-9:30
  開会挨拶
  データ工学研究専門委員長 横田治夫 (東京工業大学)

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9:30 - 10:30

サービス指向アーキテクチャ(SOA)、Webサービスとその課題

    丸山宏  (まるやま ひろし)
   日本IBM東京基礎研究所

 個々のIT技術がコモディティ化する一方、企業活動におけるITの戦略的重要性
が高まっている。サービス指向アーキテクチャ(SOA)は、ビジネスプロセス
をコンポーネントと捉えることによって、企業に柔軟性と戦略的優位性を与え
ようとする考え方であり、Webサービスはそのための実装技術として期待され
ている。このような文脈の中で、現在のWebサービスの技術にさらに求められ
るチャレンジについて考える。


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10:30 - 11:30
電子データと個人情報保護上の問題

   夏井高人 (なつい たかと)
   明治大学法学部

個人情報保護法は,個人情報及びデータベースに格納された個人データの取り
扱いついて定めている。この法律は,個人情報等の取り扱いに関する法的義務
を定め,そのための行政監督や罰則を設けている。そして,これらの手段によっ
て,個人情報の適正な取り扱いを個人情報取扱事業者に徹底させ,個人情報の
不適切な取り扱いや外部流出とそれによる二次的被害の発生を防止しようとし
ている。この講演では,個人データの取り扱いに関する個人情報保護法上及び
関連ガイドライン上のルールを踏まえ,個人情報を含む電子データと関連する
研究・実務に携わる研究者・技術者等が認識すべき問題点を指摘し,その解決
策や展望などを述べる。

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11:30 - 11:45   休憩

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11:45 - 12:45
情報システム/技術と個人情報保護法との関わり
      〜Liberty Allianceなどを例に〜
  谷口 展郎(たにぐち のぶろう)
  NTT情報流通プラットフォーム研究所

来年度に迫った個人情報保護法の本格施行を前に,個人情報保護に関係する
技術やシステムへの関心が高まっている。しかし,同法やその背後の法理から,
どのような技術/システムが求められているのかについては,あまり詳細に議
論されていない。本講では,個人情報保護法について技術的見地から要件整理
を試みるとともに,実際の技術/システムと法的/社会的要求との関係について,
Liberty Alliance などを例に説明する。

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12:45 - 14:00  昼食

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14:00 - 15:00
XML文書のアクセス制御方式とXACML標準化の動向

  工藤 道治  (くどう みちはる)
  日本IBM東京基礎研究所

XMLはビジネス文書、受発注処理、医療カルテ、遺伝子情報などの
幅広い分野で使われている。一つのXML文書の中には、通常セキュリ
ティレベルの異なる内部データが含まれており、文書レベルのアクセス
制御ではセキュリティの観点から不十分である。本講演では、要素や
属性単位にアクセス制御を行う「ノードレベルのアクセス制御」の研究
動向について解説する。また、アクセス制御ポリシー記述言語の
国際標準であるOASIS XACMLの標準化動向についても説明する。
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15:00 - 16:00
バイオメトリックセキュリティに関する技術動向

  瀬戸 洋一  (せと よういち)
  (株)日立製作所 システム開発研究所

 顔、指紋、静脈および声紋など人間の体の特徴をパスワードとするバイオメ
トリック技術は、非対面で個人確認を行うユビキタス・ネットワーク社会にお
ける重要な認証手段となっている。また、2001年の米国同時多発テロを境
に個人を特定する重要な識別技術としても注目されている。バイオメトリクス
は、現在問題となっている情報漏えい問題へ重要な技術であると同時に究極の
個人情報であるため、その取り扱いは注意を要する。つまりプライバシーの問
題などがある。本講演では、データベースに格納されたデータの盗難などを防
ぐデータプロテクション技術など、セキュリティの観点からのバイオメトリッ
ク技術の研究開発動向に関し解説する。また、現在進められる国際標準(ISO
SC37)の動向について説明する。

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16:00 - 16:15  休憩
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16:15 - 17:15

ユビキタスコンピューティングにおけるセキュリティ

   武仲正彦 (たけなか まさひこ)
   富士通研究所 ITコア研究所 セキュアコンピューティング研究部

いつでも、どこからでも、自由にコンピュータにアクセスできるユビキタスコン
ピューティングが注目されている。こういった環境では、使用する機器の種類や
状態、物理的な位置等の情報が管理・利用されるため、プライバシとセキュリ
ティの確保が大きな課題である。本講演ではこれらの情報を守る方法に加え、そ
れを利用したセキュリティ技術について最新動向を解説する、また我々が提案し
ている、移動中も安全な通信を継続できるセキュアシームレスローミングについ
ても紹介する。

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17:15 - 18:15

ユビキタスネットワークの動向とセキュリティ
   古明地 正俊 (こめいち まさとし)
   野村総合研究所 情報技術調査室 (兼)研究創発センター

 ブロードバンドネットワークの普及に代表されるように、ユビキタスネット
ワーク実現に向けての基盤整備は着実に進んでおり、現在の議論の中心は構築
された基盤の利活用やユビキタスネットワーク社会実現に向けた課題への対応
に移っている。本講演では、ユビキタスネットワーク関連技術の動向を紹介
し、その実現のために必要となる個人情報保護およそびセキュリティ関連技術
について説明する。

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参加資格・参加費
参加資格に特に制限はございません.参加費は以下のとおりです.

   学生 1,000円
   電子情報通信学会会員でデータ工学技術研究報告の年間予約購読者 3,000円
   電子情報通信学会会員(上記以外) 5,000円
   関連学会会員 5,000円
  (情報処理学会データベースシステム研究会登録会員, 日本データベース学
  会会員,ACM SIGMOD日本支部会員)
その他 6,000円


参加申込要領

参加申込は電子メールにて受け付けます.申込締切は10月17日(金)です.会場
に限りがありますので,お早めにお申し込み下さい.定員が埋まり次第申込を
締切らせていただくことがあります.申込者にはこちらから参加受付の可否を
含め返事をいたしますので,返事のメールをご確認ください.なお,事前申込
人数が定員に満たない場合は当日の申込みも受け付けます.

以下のフォームに御記入いただき,下記アドレスまで御送付下さい.

申込用アドレス: de041105 [at] db.soc.i.kyoto-u.ac.jp

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        チュートリアル「データ工学における情報セキュリティ」申込書
           (de041105 [at] db.soc.i.kyoto-u.ac.jp にお送りください)

1. 御名前:
2. 御所属:
3. 連絡先
     e-mail:
     tel:
     fax:
4. 参加資格 (以下の a〜g から選択):
   a) 学生
   b) 電子情報通信学会でデータ工学技術研究報告の年間予約購読者
   c) 電子情報通信学会員(上記以外)
   d) 情報処理学会データベースシステム研究会登録会員
   e) 日本データベース学会会員
   f) ACM SIGMOD日本支部会員
   g) その他


5. 領収書の要,不要 (以下のいずれかを選択):
   a) 要
   b) 不要
   ※ 書式・宛名の指定があればその旨御記入下さい

6. その他,御要望がありましたらお知らせください

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照会先
本研究会に関する問合せは以下までお願いいたします.

岩井原 瑞穂   iwaihara [at] i.kyoto-u.ac.jp
京都大学 大学院情報学研究科 社会情報学専攻
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
TEL: 075-753-9138   FAX: 075-753-4970


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岩井原 瑞穂 (IWAIHARA Mizuho) iwaihara [at] i.kyoto-u.ac.jp
京都大学 大学院情報学研究科 社会情報学専攻
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
TEL: 075-753-9138 FAX: 075-753-4970