日本データベース学会

dbjapanメーリングリストアーカイブ(2009年)

[dbjapan] DBSJ Newsletter Vol.2, No.3


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┃ 日本データベース学会 Newsletter
┃ 2009年9月号 ( Vol. 2, No. 3 )
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【目次】

1.報告集

・6/29-7/2
      The 35th SIGMOD international conference on Management of Data
      The 29th ACM SIGMOD-SIGACT-SIGART Symposium on Principles of
      Database (SIGMOD/PODS 2009)
          - 参加報告                      [産業技術総合研究所 的野晃整]
・7/26-28
      第1回 データベース,Web,情報マネジメントに関する若手研究者国際
      ワークショップ (iDB Workshop 2009)
          - 開催報告                            [東京工業大学 横田治夫]
          - 参加報告1                        [京都大学 Soungwoong Yoon]
          - 参加報告2                               [大阪大学 義久智樹]
・8/24-28
      The 35th International Conference on Very Large Data Bases
      (VLDB 2009)
          - 参加報告                                [京都大学 大島裕明]
・8/31-9/4
      The 20th International Conference on Database and Expert Systems
      Applications (DEXA 2009)
          - 参加報告                                  [京都大学 鈴木優]

2.論文募集

[国内会議・論文 投稿締切情報]
・10/12 概要投稿 情報処理学会 第149回DBS研究会,慶応大学日吉キャンパス

[国際会議・論文 投稿締切情報]
・10/29 概要登録 SIGMOD/PODS 2010, Indiana, USA
・11/30 論文投稿 PAKDD 2010, Hyderabad, India
・12/ 6 概要登録 SUTC 2010, Newport Beach, California, USA
2010年
・ 2/ 1 論文投稿 NDT 2010, London, UK

3.会議案内

[国内会議 開催情報]
・10/20       情報アクセスシンポジウム (IAS) 2009, 北海道大学
・10/22-10/23 第16回WI2研究会,学術総合センター(東京都千代田区)
・11/14       楽天研究開発シンポジウム2009, 楽天本社
・11/19-11/21 WebDBフォーラム2009, 慶応義塾大学 日吉キャンパス
・11/20-11/21 情報処理学会 第149回DBS研究会,慶應義塾大学日吉キャンパス
・11/22       Wikimedia Conference Japan 2009, 東京大学本郷キャンパス
・12/10-12/12 2009年度ヒューマンコミュニケーショングループシンポジウム
              札幌コンベンションセンター
・12/18-12/19 じんもんこん2009シンポジウム
              立命大学びわこ・くさつキャンパス

[国際会議 開催情報]
・10/ 5-10/ 7 WISE 2009, Poznan, Poland
・10/11-10/16 AP2PS 2009, Sliema, Malta
・10/21-10/23 AIRS 2009, Sapporo, Hokkaido, Japan
・10/25-10/27 WikiSym 2009, Orlando, Florida, USA
・11/ 2-11/ 6 CIKM 2009, Hong Kong, China
・11/12-11/13 TMRA 2009, Leipzig, Germany
・11/19-11/22 IADIS 2009, Rome, Italy
・12/ 3-12/ 4 IUCS 2009, Tokyo, Japan
・12/12-12/14 SmartTel-2009, Chengdu, China
・12/14-12/15 SOCA'09, Taipei, Taiwan
・12/14-12/16 I-SPAN 2009, Kaohsiung, Taiwan
・12/15-12/17 Innovations 2009, Al Ain, United Arab Emirates
・12/20-12/22 ICICS 2009, Jordan
2010年
・ 1/18- 1/22 ADC 2010, Brisbane, Australia
・ 2/15- 2/18 CISIS-2010, Krakow, Poland
・ 3/ 1- 3/ 6 ICDE 2010, Long Beach, California, USA
・ 3/29- 4/ 2 PerCom 2010, Mannheim, Germany
・ 4/ 1- 4/ 4 DASFAA 2010, Tsukuba, Japan
・ 6/ 6- 6/11 SIGMOD/PODS 2010, Indiana, USA

4.その他

・電子広報委員会からのお知らせ


【内容】

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

1.報告集

●会議名:The 35th SIGMOD International Conference on Management of
          Data/ The 29th ACM SIGMOD-SIGACT-SIGART Symposium on
          Principles of Database (SIGMOD/PODS 2009)
 日時:2009年6月29日〜7月2日
 場所:Providence, Rhode Island, USA
  URL :http://www.sigmod09.org/

【報告者 産業技術総合研究所 的野晃整】

今年のSIGMOD/PODSは、6月29日から7月2日にかけて、アメリカ合衆国ロードア
イランド州プロビデンスで開催されました。私はSIGMOD日本支部からの依頼に
より、これに参加調査し、9月15日ACM SIGMOD日本支部第42回支部大会において
報告を行いました。これまで調査と報告を主目的として、SIGMODのようなトッ
プカンファレンスに参加したことはありませんでしたので、私自身にとっても
非常に有益な経験ができたと思っております。特に自分の興味のある発表だけ
でなく、広く人気のある発表を意識して調査することで、これまでより広い視
点を持つことができるようななったように思います。

今回の SIGMOD で印象に残っている研究テーマが二つあります。一つは、
MapReduce に代表される大規模データフローです。例えば、ベストペーパーに
選ばれた Yahoo! Research の論文は、大規模データフローで効果的なテストデー
タを生成することを目的としています。また、Stonebraker や DeWitt など有
名な研究者が共著者として名を連らねたことで、非常に話題となった論文でも、
MapReduce と従来の並列 DBMS とで性能比較をした内容となっています。もう
一つは、Column-store です。上述の比較論文での結論としては、MapReduce よ
りも従来の DBMS が早く、通常の DBMS より Column-store の DBMS が早いと
いうことを述べています。また、ベストペーパーの次点に選ばれた CWI の論文
は、Column-store の一つである MonetDB において中間結果を再利用する研究
です。さらに、SIGMOD Jim Gray Doctoral Dissertation Award を受賞した論
文も Column-store に関する研究です。研究はありませんが、特に印象に残っ
ているシーンは、喜連川先生が SIGMOD Edgar F. Codd Innovations Award を
受賞された場面です。個人的には日本人として歴史的な瞬間に居あわせること
ができたと思っています。

開催地のロードアイランド州は、東海岸の北部に位置し、全米50州の中で最小
の州です。正直、今回派遣されるまで存じておりませんで、その名前を聞いた
ときは、てっきり島だと思っていました。ロード島という名の島は州内には存
在しますが、州自体は湾岸が入り組んだ地形となっています。また、その正式
名称は「State of Rhode Island and Providence Plantations」と言い、50州
中最長の名称だそうです。州の正式名称にも含まれているプロビデンスが開催
都市で、ロードアイランドの州都でもあります。プロビデンスはブラウン大学
やロードアイランドデザイン学校など、教育機関が多く学術都市だそうで、残
念ながら観光できるような場所はほとんどありませんでした。ただ、隣の都市
のニューポートは別荘地して有名らしく、バンケットでは湾をヨットでクルー
ズしながら、豪華別荘や無数のクルーザを見学するコースがありました。

今回の SIGMOD は、新型インフルエンザの影響で、海外渡航の自粛を促してい
た時期だったせいか、あるいは開催地の知名度が原因かは判りませんが、日本
人参加者が非常に少なかった印象があります。観光地もなく、知り合いも少な
いという状況ができ、誘惑が一切なく、調査報告の義務がある私にとっては、
会議に集中できる素晴しい環境でした。来年の開催地はインディ500で有名なイ
ンディアナポリスだそうで多少誘惑がありそうです。

最後になりますが、お茶の水女子大の渡辺知恵美先生が企画してくれた、
SIGMOD 2009 の全論文を各5分で紹介するという勉強会にも参加させていただき
ました。SIGMOD-J 報告会での紹介論文に加えて、この勉強会で紹介する論文も
読むことになったため、多少負担は増えましたが、一人で全ての研究を調査す
ることは難しいので、この勉強会のおかげで、聞けなかった発表の中にも面白
そうな研究があることを知ることができました。最新の研究動向を浅く広く知
ることができる非常に有意義なイベントだったと思います。


●会議名:第1回 データベース,Web,情報マネジメントに関する若手研究者
          国際ワークショップ (iDB Workshop 2009)
 日時:2009年7月26日(日)〜7月28日(火)
 場所:神戸ファッションマート (http://www.kfm.or.jp/)
  主催:日本データベース学会 (DBSJ)
        情報処理学会データベースシステム研究会 (IPSJ SIGDBS)
        電子情報通信学会データ工学研究会 (IEICE DE)
  URL :http://db-event.jpn.org/idb2009/

【報告者 iDBワークショップ2009実行委員長・東京工業大学 横田治夫】

 データベース、Web、情報マネジメントに関連する分野の若手研究者の研究
内容のブラッシュアップを図ることを目的に、国内外のトップクラスの研究者
からメンターとして直接コメントや指導をしてもらう、という新しい試みであ
る iDB Workshop 2009 (http://db-event.jpn.org/idb2009/)が、2009年7月
26日(日)〜7月28日(火) に神戸ファッションマートにて開催されました。

 ご協力頂いたメンターの方々は以下の通りです(last name の alphabet順)。

 Prof. Sang Kyun Cha (Seoul National University, SAP R&D Center Korea)
 Prof. Masaru Kitsuregawa (University of Tokyo, Japan)
 Prof. Hiroyuki Kitagawa (University of Tsukuba, Japan)
 Prof. Yasushi Kiyoki (Keio University, Japan)
 Prof. Ray Larson (University of California at Berkeley, USA)
 Prof. Yoshifumi Masunaga (Aoyama Gakuin University, Japan)
 Prof. Katsumi Tanaka (Kyoto University, Japan)
 Dr. Xing Xie (Microsoft Research Asia, China)
 Prof. Masatoshi Yoshikawa (Kyoto University, Japan)
 Prof. Jeffrey Xu Yu (Chinese University of Hong Kong, China)

いずれも著名な研究者の方々で、トップレベルの国際会議に日常的に論文を通
し大変活躍されておられる極めてお忙しい中、本ワークショップのために時間
を調整してご参加頂きました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

 国際会議や雑誌論文に投稿を予定している未公表の研究内容もブラッシュアッ
プの対象とするために、ワークショップ自体は完全にクローズドとし、参加者
は秘密保持契約(NDA)を結んでもらいました。このため、投稿された論文名等
も公表できませんが、15名の新進気鋭の若手研究者がワークショップに参加し、
研究内容を紹介し、メンターと活発な議論を行いました。

 若手研究者1名に付き、海外からのメンター1名以上、国内のメンター1名
以上に担当となって頂き、研究内容に関して具体的な改善提案をして頂きまし
た。研究者の発表の後、対面でのディスカッションの場を用意しましたが、皆
さん非常に熱心な議論が続いていたのがとても印象的でした。また、レセプショ
ンやバーベキューのバンケットでも、メンターと若手研究者の間で意見交換が
行われ、将来的な協力関係の発展も期待されるところです。バンケットでは、
メンターの投票によって選ばれた最優秀若手研究者賞1名(Soungwoong Yoon)
と優秀若手研究者賞5名(荒瀬由紀,加藤誠,比嘉玲華,油井誠,義久智樹)
の表彰が行われました(文中敬称略)。

 ワークショップの2日目午後は、同じ神戸ファッションマート内で、海外メ
ンター他による講演会を開催しました。講演会の参加はオープンとしたことで、
70名以上の参加者があり、質疑等も大変活発でした。また、講演の中で若手研
究者に向けてのメッセージを含めて下さったメンターもおり、大変好評でした。

 最後に、このワークショップでのディスカッションを通して、自分の研究内
容をどのように把握し、どのように改善するかに関して、各参加者からレポー
トを提出してもらいましたが、多くの具体的な改善提案等がありました。また、
レポート中の感想も、皆大変有意義であったというものでした。来年以降も、
このような形のワークショップが発展していくことを期待したいと思います。

【報告者 京都大学 Soungwoong Yoon】

Attending iDB2009 Workshop was really precious and exotic experience
for me. Moreover, It was great honor to get the 'Best Distinguished
Young Researcher Award,' which truly beyond my imagination. Needless
to say with comfortable facilities and tasty foods, here are
'distinguished' points of iDB2009.

1. Good scheduling
I felt sessions and Invited talks are compact and well-organized,
compared with confusingly many sessions (DEIM2009 or larger) or only
one session like continuous lectures (KJDB2007).

2. Kind, plausible comments and reports by mentors
Good fit with the objective of iDB workshop, enough to give strong
motivations with young researchers. Mentors gave many frank, precise
comments with me, which was good experience to enhance my idea.
Posterior reports were understandable to get all mentors' ideas with
my presentation.

Even though, I believe some comments make this Workshop more
plausible.

1. Prior notice of precise workshop program
Good points mentioned before were not well coordinated with general
notice. I found those characteristics after workshop started. Mentor
- mentee connection is one of strong points, but I really confused
with my duty concerned with. For example, I couldn't prepare
anything in 3rd date, which was called as the meeting with mentors,
so I must resent my report after meeting mentors and talked with
them.

2. More interaction with mentees, as well as mentors
Two Banquets and 3rd date's meeting with mentors were good, but what
I felt was that it looked only for organizing a report. Report for
whom? I guess it was same as mentors. And it'll be more good if we
mentees have more chances to talk with.

【報告者 大阪大学 義久智樹】

私は研究発表をするメンティとしてiDBに参加させていただきました。メンテ
ィ側の立場として、国内外の超一流の研究者と議論できることは非常に有意義
で、貴重な意見を多数いただきました。特に、メンターの先生方は事前に論文
を熟読されており、発表する前からレセプションで質問をいただく等、明確に
担当が決まっているメンター制ならではの特長がありました。レセプションで
いただいた質問はさっそく発表資料で説明するように修正しました…。発表中
もメンターとして発表に集中できるという点から、座長とは一線があったよう
に感じます。

私はストリームデータ配信を専門としていますが、一方でストリームデータが
発生するという観点からセンサネットワークの研究を進めています。センサネ
ットワークからデータを早く収集する研究がICDE等で発表されていますが、予
測値を使っており詳細なデータを収集できません。私は実測値を集めることが
重要と捉え、移動型端末がセンサネットワーク内を移動してデータを収集する
手法を提案しています。詳細は書けませんが、4月から本研究関連のプロジェ
クトが始まったこともあり、このような内容でiDBに投稿させていただきました。
無事採択いただき、慶應義塾大学の清木先生とMicrosoft  Research Asiaの
Dr. Xing Xieをメンターとして私は2日目の午前のセッションで発表すること
となりました。発表させていただけることは非常に嬉しかったのですが、国外
の先生の前でお粗末な発表をすると日本のDBコミュニティの評判を落とすこと
になる、聞いていただける国内の先生方も超一流の先生ばかりということもあ
り、プレッシャーが大きく、採択通知を頂いた日から十分な時間をかけて発表
の準備をしました。

発表は30分、質疑は10分程で、発表後、メンターはもとより聴講いただいてい
る先生方からも質問をいただきました。質疑の時間がなくなるまで議論してし
まい、休憩時間に入っても、質問いただいた先生方と質疑のおさらいとさらに
深い議論を交わさせていただきました。さらに3日目の午前にはメンターと議
論する時間が設けられており、そこでも今後の研究方針等について議論させて
いただきました。懇親会は夜景のすばらしい六甲山で開催され、そこで今回の
発表に対してDistinguished Young Researcher Awardをいただきました。今後
の研究の励みにしたいと思います。

最後になりましたが、超一流の先生方と議論できるすばらしい機会を与えてく
ださいましたiDB運営組織のみなさまをはじめ、議論いただいたメンターの先
生方、DBコンミュニティのみなさま、本当にありがとうございました。


●会議名:35th International Conference on Very Large Data Bases
          (VLDB 2009)
 日時:2009年8月24日〜8月28日
 場所:Lyon, France
  URL :http://vldb2009.org/

【報告者 京都大学 大島裕明】

8月24日から8月28日まで、フランスのリヨンで行われましたVLDB 2009に参加
いたしました。大変な盛況で大いに盛り上がった会議でしあり、さすが、デー
タベース分野の三大メジャー会議の1つだなぁと感心いたしました。日本から
参加されている方も大学の先生方を中心として数多く見受けられましたが、
日本からの発表は非常に少なく、本会議における発表は東京大学の三島健さん
の「Pangea: An Eager Database Replication Middleware guaranteeing
Snapshot Isolation without Modification of Database Servers」という論
文が唯一であったと思います。(漏れがありましたら、大変申し訳ございませ
ん。)会場はリヨンの中心部から少し外れの方に位置している会議場で、会議
に集中して参加できる環境であったと思います。

会議は全体で5日間で、初日と最終日はワークショップが行われました。私が
参加したのは中3日間の本会議のみだったのですが、ワークショップに参加さ
れた方々から、ワークショップも盛況であったとお聞きしております。

本会議でおそらく最も人が集まったセッションは、「Novel/Advanced
Applications」のセッションであったと思います。3件の発表があったのです
が、その中でも特に「HadoopDB: An Architectural Hybrid of MapReduce
and DBMS Technologies for Analytical Workloads」を目的に聞きに来た人が
非常に多く、通路全体に人が座っているという状況になっていました。また、
私は参加しなかったのですが、「MapReduce」のセッションも多くの人が来ら
れ、多くの人が興味をもたれたようでした。データベース研究者が注目してい
るところが非常に明確に現れていたと感じました。「Probabilistic and
Fuzzy Databases」のセッションにも比較的多くの人が来られいました。この
セッションでは、Best Paperを受賞した「A Unified Approach to Ranking
in Probabilistic Databases」という論文の発表もあったのですが、分野とし
てProbabilistic Databasesの分野が注目されていることを感じました。

私が今回VLDB 2009に参加させていただいたのは、後日、ACM SIGMOD日本支部
の大会において、ご報告させていただくという役目も担ってのものでした。こ
のような機会をいただきましたACM SIGMOD日本支部の先生方には感謝の言葉も
ございません。詳しくご報告させていただきますので、興味をお持ちの方はご
参加いただければと思います。また、的野さんよりSIGMOD 2009の勉強会が開
かれたというご報告がありましたが、現在、立命館大学の奥先生、お茶の水女
子大学の渡辺知恵美先生などが中心になり、VLDB 2009についても同様の勉強
会を行う計画をされているとお聞きしております。こちらの会についても良い
勉強の機会になるものと期待しております。

次回のVLDB 2010はシンガポールで開催される予定です。せっかくアジアで開
催されるのですし、日本からの論文がより多く採択されることを期待したいと
思います。


●会議名:The 20th International Conference on Database and Expert
          Systems Applications (DEXA 2009)
 日時:2009年8月31日〜9月4日
 場所:Linz, Austria
  URL :http://www.dexa.org/

【報告者 京都大学 鈴木優】

8月31日から9月4日まで,DEXA 2009がオーストリアのリンツで開催されました
ので参加いたしました.リンツはオーストリア北部の大体中心に位置する都市
で,オーストリアの中ではウィーン,ザルツブルグに次いで三番目に大きい都
市です.街の中心にはドナウ川が流れており,大聖堂,石畳の道路,ライトレー
ルなど閑静なヨーロッパの町並みが広がっています.

DEXA が開催された場所は Johannes Kepler University (JKU) という大学で,
有名な天文学者である Johannes Kepler (ヨハネス・ケプラー)と何か関係
があるのかどうかと考えておりました.それほど大きな大学ではありませんで
したが,森の中にある小さな池の周りを取り囲むように校舎があり,非常に印
象的でした.

本年度のDEXAは日本からの投稿数,採択数が共に多く,一位の中国に続く二位
の採択数となっています.発表論文の中で一番多かった分野はXMLに関するもの
であり,次にオントロジやSemantic Webなどが続きます.アプリケーションや
インタフェース,Webなどの発表は少なく,どちらかというと基礎的な研究が多
くを占めている印象でした.

残念であったことは,少なくない人数の発表者が発表を行わなかったことです.
現在,DEXAでは発表を行わない著者をブラックリストに掲載し,以後のDEXAで
の採録を行わないという方針だそうですが,それでも数多くの発表者が欠席し,
あるセッションでは一人も発表せずに終わってしまったケースもありました.
DEXAは8件の国際会議,13件のワークショップが併設して開催されています.
DEXA自体は基本的にはシングルセッション,時間によっては2パラレルセッシ
ョンという構成でしたが,他の会議を含めると6パラ〜7パラとなっておりまし
た.参加者の数は500人近く,多くの研究者が参加している印象でしたが,一
つのセッションで参加している人数はそれほど多く無く,数人から数十人程度
です.

開催地のリンツでは,ARS Electronica(アルス・エレクトロニカ)というイ
ベントが催されている真っ最中でした.ARS Electronicaとは,デジタルアー
トの分野では最も権威のある芸術祭で,街中を会場として様々なイベントが行
われていました.日本に関係のある展示物としては,100 Erikas
(http://f.hatena.ne.jp/yoshimiradikorn/20080114165122) や,ニンテンドー
DSiの展示など,アート,インタラクティブに関する展示が数多くありました.
次回のDEXAはスペインのBilbaoで行われます.スペインの北東に位置し,非常
に気候の良い場所だそうです.


2.論文募集

【国内会議】

[筑波大学 森嶋]
会議名:情報処理学会 第149回 データベースシステム研究会
日時:2009年11月20〜21日(WebDB Forum(11/19-20)と連続予定)
場所:慶應義塾大学日吉キャンパス
日程:2009年10月12日頃 申込締切
      2009年10月19日頃 原稿締切

【国際会議】

[大島]
会議名:the 2010 ACM SIGMOD/PODS Conference (SIGMOD/PODS 2010)
日時:2010年6月6-11日
場所:Indiana, USA
URL: http://www.sigmod2010.org/
日程:2009年10月29日 概要登録締切
      2009年11月5日 論文投稿締切

[東京大学 喜連川]
会議名:14th Pacific-Asia Conference on Knowledge Discovery and
        Data Mining (PAKDD-2010)
日時:2010年6月21-24日
場所:Hyderabad, India
URL: http://www.iiit.ac.in/conferences/pakdd2010/
日程:2009年11月30日 論文投稿締切

[shyu]
会議名:2010 IEEE International Conference on Sensor Networks,
        Ubiquitous, and Trustworthy Computing (SUTC2010)
日時:2010年6月7-9日
場所:Newport Beach, California, USA
URL: http://sutc2010.eecs.uci.edu
日程:2009年12月6日 発表申込締切
      2009年12月13日 論文投稿締切

[Digital Information Research Foundation]
会議名:2nd International Conference on Networked Digital Technologies
        (NDT 2010)
日時:2010年8月4-6日
場所:London Metropolitan University, UK
URL: http://www.dirf.org/ndt2010
日程:2010年2月1日 論文投稿締切


3.会議案内

【国内会議】

[同志社大学 波多野][神戸大学 江口]
会議名:情報アクセスシンポジウム (IAS) 2009
日時:2009年10月20日
場所:北海道, 札幌, 北海道大学
URL: http://www.hokudai.ac.jp/footer/ft_access.html

[大阪大学 土方]
会議名:第16回WI2研究会
日時:2009年10月22-23日
場所:東京, 学術総合センター
URL: http://www.ieice.org/~wi2/wi2cs/participant.cgi
日程:2009年10月15日 事前登録締切

[楽天 平手]
会議名:楽天研究開発シンポジウム2009
日時:2009年11月14日
場所:東京, 楽天本社
URL: http://rit.rakuten.co.jp/conf/rrds2009/

[京都産業大学 中島]
会議名:WebDBフォーラム2009
日時:2009年11月19-20日
場所:神奈川, 慶應義塾大学 日吉キャンパス
URL: http://db-event.jpn.org/webdbf2009/

[東京大学 中山]
会議名:Wikimedia Conference Japan 2009
日時:2009年11月22日
場所:東京, 東京大学本郷キャンパス
URL: http://www.wcj2009.info/

[大阪大学 土方]
会議名:2009年度ヒューマンコミュニケーショングループシンポジウム
日時:2009年12月10-12日
場所:北海道 札幌コンベンションセンター
URL: http://www.ieice.org/~hcg/sympo2009/

[筑波大学 松村]
会議名:じんもんこん2009シンポジウム
日時:2009年12月18-19日
場所:滋賀, 立命大学びわこ・くさつキャンパス「エポック立命21」
URL: http://www.jinmoncom.jp/sympo2009/


【国際会議】

[京都大学 田中]
会議名:10th International Conference on Web Information Systems
        Engineering (WISE 2009)
日時:2009年10月5-7日
場所:Poznan, Poland
URL: http://wise2009.ue.poznan.pl/

[筑波大学 藤井]
会議名:5th Asia Information Retrieval Symposium (AIRS 2009)
日時:2009年10月21-23日
場所:Hokkaido University, Sapporo, Hokkaido
URL: http://www-kb.ist.hokudai.ac.jp/AIRS2009/

[青山学院大学 増永]
会議名:The 5th International Symposium on Wikis (WikiSym2009)
日時:2009年10月25-27日、
場所:Orlando, Florida, USA
URL: http://www.wikisym.org

[NICT 木俵]
会議名:3rd International Universal Communication Symposium (IUCS 2009)
日時:2009年12月3-4日
場所:Tokyo, Japan
URL: http://www.i-uc-s.org/2009/

[ナレッジ・シナジー 内藤]
会議名:TMRA 2009
        Topic Maps Research and Applications
日時:2009年11月12-13日
場所:Leipzig, Germany
URL: http://www.tmra.de/2009/

[Dobre]
会議名:IADIS International Conference WWW/Internet 2009
日時:2009年11月19-22日
場所:Rome, Italy
URL: http://www.internet-conf.org/

[Wang]
会議名:2nd International Workshop on Smart homes for Tele-Health
        (SmartTel-2009)
        In conjunction with The 8th International Conference on
        Pervasive Intelligence and Computing (PICOM 2009)
日時:2009年12月12-14日
場所:Chengdu, China
URL: http://myweb.dal.ca/naslam/smartel-09
      http://www.cs.iupui.edu/~ydai/Picom09/

[Hsu]
会議名:IEEE International Conference on Service-Oriented Computing
        and Applications (SOCA'09)
日時:2009年12月14-15日
場所:Taipei, Taiwan
URL: http://www.iis.sinica.edu.tw/soca09

[Robert C. Hsu]
会議名:10th International Symposium on Pervasive Systems, Algorithms
        and Networks (I-SPAN 2009)
日時:2009年12月14-16日
場所:Kaohsiung, Taiwan
URL: http://ispan2009.comm.ccu.edu.tw/

[Lazarova-Molnar]
会議名:6th International Conference on Innovations in Information
        Technology (Innovations'09)
日時:2009年12月15-17日
場所:Dubai/Al Ain, United Arab Emirates
URL: http://www.it-innovations.ae/

[Eyas El-Qawasmeh]
会議名:International Conference on Information and Communication
        Systems (ICICS 2009)
日時:2009年12月20-22日
場所:Jordan
URL: http://www.icics.info/

[東京大学 中野]
会議名:21st Australasian Database Conference (ADC 2010)
日時:2010年1月18-22日
場所:Brisbane, Australia
URL: http://www.itee.uq.edu.au/~adc2010

[大阪大学 原]
会議名:4th International Conference on Complex, Intelligent
        and Software Intensive Systems (CISIS-2010)
日時:2010年2月15-18日
場所:Krakow, Poland
URL :http://www.cisis-conference.eu/

[中村]
会議名:26th IEEE International Conference on Data Engineering
        (ICDE 2010)
日時:2010年03月01-06日
場所:Long Beach, California, USA
URL :http://www.icde2010.org/

[Yu]
会議名:8th IEEE International Conference on Pervasive Computing
        andCommunications (PerCom 2010)
日時:2010年3月29-4月2日
場所:Mannheim, Germany
URL: http://www.percom.org/

[筑波大学 北川][奈良先端大 宮崎][大阪大学 原]
会議名:15th International Conference on Database Systems for
        Advanced Applications  (DASFAA 2010)
日時:2010年4月1-4日
場所:Tsukuba, Japan
URL: http://dasfaa2010.cs.tsukuba.ac.jp/


4.その他

[電子広報委員会]
今回の編集担当は京都大学の大島裕明が行いました。
次回は京都大学の中村聡史先生が担当いたします。


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┃日本データベース学会電子広報委員会
┃(編集責任者:京都大学 中村聡史,大島裕明)
┃研究集会への参加報告・開催報告の自由投稿を歓迎します.
┃ご意見,ご希望,コメント等は newsletter [at] dbsj.org にお願いします.
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