学会員メーリングリストアーカイブ (2014年)

DBSJ Newsletter Vol. 7, No. 1: DEIM2014, データ 解析コンペティションDB部会, IMECS2014


┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ 日本データベース学会 Newsletter
┃ 2014年4月号 ( Vol. 7, No. 1 )
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

しばらくの間寒暖の差が厳しい気候が続きましたが,ようやく暖かくなりはじめ,
東京では桜も満開となってきております.新年度を迎え,これから新生活となる
会員の方も少なくないと思います.電子広報編集委員会も発足から1年が経過し,
これからますます皆様と共に発展していきたいと願っております.

さて本号では,恒例である3月に開催されましたDEIM2014の開催報告に加え,
そのDEIM2014にて行われたインタラクティブセッションの受賞者にコメントを
ご寄稿いただきました.伝統あるデータ解析コンペティションの予選会として始
めて開催されたDB部会の開催報告もご寄稿いただきました.国際会議報告として
は,香港で行われたIMECS 2014について学部4年生での国際会議発表の苦労と感
想という観点でご寄稿いただきました.いずれも盛りだくさんの内容となってお
ります.

本号ならびにDBSJ Newsletterに対するご意見,あるいは次号以降に期待する
内容についてのご意見がございましたら,news-com [at] dbsj.org までお寄せく
ださい.

                             日本データベース学会 電子広報編集委員会

=======================================================================

----
目次
----

1. DEIM2014 開催報告
    中島伸介(京都産業大学コンピュータ理工学部 准教授)

2. DEIM2014 最優秀インタラクティブ賞を受賞して
    大森 雅己 (静岡大学大学院 修士課程)

3.データ解析コンペティションDB部会報告
    井上潮(東京電機大学 教授)

4.IMECS2014に参加して
    財前元希(兵庫県立大学 学部4年生)

=======================================================================

■1■  DEIM2014 開催報告  中島伸介(DEIM2014実行委員長 京都産業大学コンピュータ理工学部 准教授)

電子情報通信学会第6回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2014)/第12回日本データベース学会年次大会

日時:2014年3月3日〜5日
場所:兵庫県淡路市夢舞台2番地 淡路夢舞台国際会議場&ウェスティンホテル淡路
主催: 電子情報通信学会データ工学研究専門委員会
        日本データベース学会
        情報処理学会データベースシステム研究会

2014年3月3〜5日の3日間,兵庫県淡路市の淡路夢舞台国際会議場&ウェスティ
ンホテル淡路において,DEIM2014が開催されました.3日間の参加者は554名(
過去最多)となり,データ工学および情報マネジメントに関心を持つアクティビ
ティの高い,研究者,先進技術者,学生が一堂に会するイベントとなりました.

例年,卒業シーズンを控え,学生,若手研究者が数多く発表することから,DEIM
2014においても,若手研究者の研究奨励を目的としたPhDセッションを設けまし
た.2泊3日の間に,口頭発表セッション51(一般発表 274件,PhDセッション
発表 29件),インタラクティブセッション2(発表163件,内デモ有り66件),招
待講演セッション1,DBSJ功労賞記念講演1,特別セッション2,ナイトセッショ
ン1,BoFセッション3という盛りだくさんな発表が行われ,今回も大変充実した内
容になりました.

招待講演セッションでは「ITを活用したスポーツ情報戦略」として,全日本女子バ
レーボールチーム情報戦略担当チーフである,渡辺啓太氏から大変興味深いご講演
をいただきました.
特別セッション「Cyber-Physical-Social データ利活用技術」では,Cyber Physical 
Social Computingに求められるセンサーデータ収集の課題や,そのセンサーデータ
の分析の課題,異種・異分野センサーデータ統合基盤の課題についてご議論いただ
きました.
特別セッション「クラウドソーシングがDB研究に何をもたらすか?」では,昨年に
引き続くクラウドソーシング企画となり,クラウドソーシングがDB研究に何をもた
らすのか,DB研究者はどのように貢献できるのか,ということに関してご議論いた
だきました.

ナイトセッション「とある若手研究者の一日 〜君たちの未来がそこに見える?〜」
では,様々な立場の「若手」がタイムチャート形式で『一日をどのように過ごして
いるのか』をユーモアを交えながら図解していただき,特に学生さんに向けてデー
タベースコミュニティにおける研究者という仕事を身近に感じていただけるような
メッセージを送っていただきました.
BoFセッションとしては,「クラウドソーシングの明日はどっちだ!?」,「企業
人が語る! 企業における研究生活のホンネ」,「アイデアソン「リクルートテクノ
ロジーズとつくる、ライフイベントの高付加価値サービス」」の3つを行い,どの
セッションも夜遅くまで盛り上がりを見せました.

また,DEIM2014の2日目(3/4)には平成25年度日本データベース学会功労賞,
上林奨励賞授賞式が行われ、日本データベース学会功労賞を國井秀子 氏(芝浦工業大
学 学長補佐・大学院工学マネジメント研究科 教授),日本データベース学会上林奨励
賞を,斉藤 太郎 氏(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 助教),前川 卓也 氏(大
阪大学大学院 情報科学研究科 准教授),油井 誠 氏(独立行政法人 産業技術総合研究
所)が受賞されました。引き続き,國井秀子 氏による功労賞記念講演「シリコンヒル
での博士論文を日本で事業化、そしてその後」が行われました.

初日および2日目の懇親会に併せて行われた,インタラクティブセッションでは,淡
路市のシンボルキャラクターである,「あわ神(あわじん)」と「あわ姫」に飛び入
り参加していただくことができました.今,流行りの“ゆるキャラ”であり,参加者
の皆様も記念撮影をされるなど楽しんでいただけたのではないかなと思います.今回
のインタラクティブセッションでは,優秀賞を決める投票数が過去最多となるなど非
常に盛り上がりましたが(これはもちろんインタラクティブセッションの発表者の皆
様とインタラクティブ担当の実行委員の皆様のご尽力のお蔭ですが),「あわ神」と
「あわ姫」も少しは貢献できたのかもしれません.

以上の通り,DEIM2014は過去最多の参加者を集め,例年通り大変充実した実りある
イベントとなりました.ただし,初日の懇親会でも申しましたが,会議が盛会である
ことがDEIM2014の成功ではなく,DEIM2014を大いなる“踏み台”としていただき,
皆様の今後の研究が実を結ぶことこそがDEIM2014の成功であると考えております.
ご発表された皆様におかれましては,是非とも座長・コメンテータおよび参加者から
のコメントを今後の研究に活かしていただき,国際会議論文やJournal論文へ発展させ
ていただければと思います.

最後となりましたが,ご尽力いただきました実行委員,プログラム委員,コメンテー
タ,そして参加者の皆様にあらためて御礼申し上げます.

(中島伸介 DEIM2014実行委員長 京都産業大学コンピュータ理工学部 准教授)


--------------------------------------------------------------------

■2■ DEIM2014 最優秀インタラクティブ賞を受賞して        大森 雅己 (静岡大学大学院 修士課程)

今回のDEIM2014にて,「Flickrは海岸線を描けるか?」というタイトルで最優秀
インタラクティブ賞を受賞することができました.受賞者は,私を含めて3人で,
その内2人の発表タイトルには末尾に「?」が含まれており,私が最優秀インタラ
クティブ受賞をできたのも,この「?」の力が大きく関わっていると思います……
というのは冗談ですが,タイトルで多くの人に興味を持ってもらえたのは事実か
と思います.実際に,ポスターを見に来られた方の何人かの人には,「タイトル
に興味を持ちました.」と言って頂けました.

私が発表した内容は,タイトルの通り,Flickrに投稿された海岸の写真のメタデ
ータから,地図上に海岸線を描くことができるのかということを検証したもので,
口頭発表とポスター発表を行いました.ポスターを制作するときには,タイトル
がキャッチーなものなので,ポスターのデザインも目を引くものにしようと,タ
イトルに関連する海岸線の写真を背景にしたり,実際のFlickrの海岸の写真を複
数並べたりといった工夫を行いました.発表のときは,口頭発表のように内容を
最初から順に説明するのとは違い,説明の途中で質問を受けることや,最初から
「この部分について聞きたいのですが」のように,場所を指定して説明を頼まれ
ることや質問されることがあり,自分が想定していたペースで説明できないこと
が多くありました.しかし,私は今回のDEIMは2回目で,去年もポスター発表して
おり,ポスター発表がどのようなものかを経験していたので,そのときの経験を
活かして,去年よりはうまく説明できたように思います.

DEIM2014には多くの方が参加されており,ポスター発表では,座長やコメンテー
タの方だけでなく多くの先生や学生,企業の方とも話をすることができ,様々な
ご指摘やアドバイスを頂くことが出来ました.また,自分とは異なる分野の研究
の発表を見たり,他の大学の学生との交流ができたり,ナイトセッションで先生
方や企業の方の話を聞けたりと,様々な貴重な経験ができ,とても充実した3日間
になりました.このような機会を与えてくださった皆様,そして私のポスターに
投票してくださった皆様,本当にありがとうございました.

(大森 雅己 静岡大学大学院 情報学研究科)

--------------------------------------------------------------------

■3■ データ解析コンペティションDB部会報告     井上潮(東京電機大学 教授)

データ解析コンペティションは,「共通の実データを元に,参加者が分析を競う」
ことを目的として,平成6年度から毎年開催されているイベントです.主催者の経
営科学系研究部会連合協議会は,経営科学とマーケティング・サイエンスの研究者
の交流の場ならびに,産学連携のプラットフォームとして活動している団体です.
平成24年度までは,日本データベース学会ビジネスインテリジェンス研究グループ
がこの協議会のメンバーとして参加し,日本オペレーションズ・リサーチ学会と共
同でこのコンペティションの予選会を行ってきました.しかし,近年のビッグデー
タに対する関心の高まりの中で,データ解析分野におけるデータベースコミュニティ
の存在感をさらに向上させる目的で,平成25年度からACM-SIGMOD日本支部も協議
会のメンバーに加わり,データベース分野独自の予選会(DB部会)を開設しました.
DB部会の構成メンバは,次の通りです.主査:井上潮,関根純(専修大学),委員:
宇田川佳久(東京工芸大学),大塚真吾(神奈川工科大学),北山大輔(工学院大学),
生田目崇(中央大学),波多野賢治(同志社大学),増田英孝(東京電機大学),
アドバイザ:川越恭二(立命館大学).

平成25年度は8月2日から3月31日までの期間で,ECサイト購買・閲覧データとスキャ
ンパネル・パネル調査データの2種類の実データを用いて実施しました.DB部会には学
生部門の4チームが参加し,12月下旬に中間発表会(ウェブ上),2月25日に最終発表
会を開催しました.いずれのチームも,提供されたデータを十分に分析し,その結果を
きちんと報告していた点で大変良かったと思います.DB部会の構成メンバによる厳正
な審査の結果,「スキャンパネルデータを用いた限定商品分析システム」を発表した
Ritsチーム(立命館大学)が最優秀賞を獲得し,3月27日の成果報告会において他の
部会から選抜されたチームと競うことになりました.

今回のコンペティション全体の参加チーム数が100を超えたことを考慮すると,DB部
会の参加チーム数はかなり残念な結果でした.次回は参加チーム数の倍増を目指して,
広報活動等を積極的に進める予定です.また,参加チームが関東と関西に分かれている
ため,最終発表会をテレビ会議で行うことを検討しましたが,事前のテストで教室間の
ネットワーク接続がうまくいかなかったため断念しました.平成26年度にもう一度トラ
イしたいと思います.また,運営に不慣れなために各方面にご迷惑をおかけしつつも,
無事に平成25年度を終えることができたのは,DB部会の構成メンバおよび関係各位の
ご協力によるものであり,大変感謝しております.これからDB部会を成長させていく
ことが,データベースコミュニティの活性化の一助になると考えておりますので,今後
とも皆様方のご理解とご支援をよろしくお願いします.

参考URLは,以下の通りです.
経営科学系研究部会連合協議会: http://jasmac-j.jimdo.com/
データ解析コンペティションDB部会: http://www.sigmodj.org/dbcomp/

(井上潮 東京電機大学 工学部情報通信工学科 教授)

--------------------------------------------------------------------

■4■ IMECS2014に参加して             財前元希(兵庫県立大学 学部4年生)

2014年3月12から15日にかけて国際会議IMECS2014が開催されましました.会場は
香港の九龍で最も賑わいのある尖沙咀のホテル,Royal Garden Hotelです.そのような
賑やかな地域にある会場でしたが,ホテル自体はとても落ち着いた雰囲気で気品のある
ところでした.

今回,学部生のうちに発表することはないだろうと思っていた国際会議で発表するとい
う,貴重な体験をさせていただきました.私の所属する学校は3回生時から研究室に配属
されるため,研究室における3回生のまとめとして国内でポスター発表,そして3,4回
生のまとめとして国際会議で口頭発表を,ということでこの会議に参加させていただく
ことになりました.2年間の成果としての発表は,本当に得たものが多い経験になった
と感じます.

そもそも今まで英語での論文の執筆,発表の経験がなかったため,想像したいたよりも
はるかに準備が大変でした.日本語での執筆や発表と違い,そもそも英語では文章や発
表内容が本当に正しく相手に伝わっているのかと不安になってしまい,一文を書くのに
もかなりの時間が必要だったりと,思った以上に作業が進まず本当に焦ることもありま
した.この会議は1月に投稿,3月に発表ということで,ちょうど卒論の提出や発表の時
期と被っています.そのため,IMECS用としても使えるように卒論とその発表資料も英
語で制作することで,どうにか作業量を減らして準備を行って来ました.どうにかひと
通り終えることができた発表でしたが,今は自分の英語力のなさやスケジューリングの
甘さを痛感しています.研究をする上で英語力は必須,ということを研究から離れる卒
業間際になってようやく実感することになりました.

IMECS2014参加のため香港に5日間滞在しましたが,その間の食事は素晴らしいもので
した.会場がある尖沙咀は繁華街であったためそこら中に美味しいものを出す店があり,
中でもお手頃な価格で食べることができる小籠包等を出す店には昼食時にお世話になり
ました.めったにない海外での美味しい食事の機会を得ることができ,大変満足してい
ます.これも,大変ではありましたが国際会議に参加させて頂いたおかげだと思い,こ
のような機会をいただけたことに感謝しております.

振り返ってみますと,初めての,また学部生のうちに発表することはないだろうと思って
い国際会議であったため,かなり緊張した状態での発表でした.そのため,発表前は逃げ
たしたい気持ちでいっぱいだったというのが正直なところです.しかし今思い返してみれ
ば,興味深い多様なトピックの発表があり,また質疑から活発な議論が交わされる場面に
も出会え,国際会議に参加できたことは本当に貴重な体験になったと思えます.

(財前元希 兵庫県立大学 環境人間学部環境人間学科 学部4年生)

=======================================================================