学会員メーリングリストアーカイブ (2017年)

[dbjapan] DBSJ Newsletter Vol. 10, No. 2: 日本データベース学会受賞特集号


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┃ 日本データベース学会 Newsletter
┃ 2017年5月号 ( Vol. 10, No. 2 )
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新年度から一月が経ち、ようやく平常運転になりつつある会員の方も多いのではないでしょ
うか?通常隔月で発行されるNewsletterですが、今年度から特集号が追加されることになり
ました。今号では、3月に開催されましたDEIM Forum 2017において開催されたDBSJアワー
で公表された日本データベース学会功労賞、日本データベース学会若手功績賞、日本データベー
ス学会上林奨励賞の各受賞者の声をご寄稿いただき、特集といたしました。
 
日本データベース学会功労賞は、我が国のデータベース、メディアコンテンツ、情報マネージメ
ント、ソーシャルコンピューティングに関する科学・技術の振興をはかり、もって学術、文化、
ならびに産業の発展に大いに寄与された日本データベース学会の会員の功労を賞するためのものです。
日本データベース学会若手功績賞は、本会の活動に多大なる貢献をしてきた若手会員を賞するもので、
本会の対象とする研究分野において優れた実績を有する場合もその対象となります。
上林奨励賞は、故 上林弥彦 日本データベース学会初代会長のご遺族からご寄贈頂いた資金を活用し、
データベース、メディアコンテンツ、情報マネージメ ント、ソーシャルコンピューティングに関する
研究や技術に対して国際的に優れた発表を行い、かつ本会の活動に貢献してきた若手会員を奨励する
ためのものです。

各賞の表彰規定や歴代の受賞者は以下のWebページからご確認いただけます。
日本データベース学会功労賞:http://dbsj.org/overview/award/#award_02
日本データベース学会若手功績賞:http://dbsj.org/overview/award/#award_03
日本データベース学会上林奨励賞:http://dbsj.org/overview/award/#award_04


本号ならびに DBSJ Newsletter に対するご意見あるいは次号以降に期待する内容について
のご意見がございましたら news-com [at] dbsj.org までお寄せください。
 
 
                                 日本データベース学会 電子広報編集委員会(担当編集委員 北山 大輔)
 
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目次
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1. 大学における実践的データベース開発
  金森 吉成(群馬大学 名誉教授)

2. 若手功績賞を受賞して
  大塚 真吾(神奈川工科大学 准教授)

3. ノンアカデミシャンにとってのデータベース学会 -若手功績賞をはからずも受賞して 
  岡本 真(アカデミック・リソース・ガイド株式会社)

4. 日本データベース学会若手功績賞を受賞して
  土方 嘉徳(関西学院大学 准教授)

5. 日本データベース学会若手功績賞受賞にあたって
  吉田 尚史(駒澤大学 准教授)

6. 上林奨励賞を受賞して
  Adam Jatowt(京都大学 特定准教授)

7. 日本データベース学会上林奨励賞を受賞して
  西田 京介(日本電信電話株式会社 主任研究員)

8. 上林奨励賞を受賞して
  白川 真澄 (ハッピーコンピューター株式会社)

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■1■ 大学における実践的データベース開発    金森 吉成(群馬大学 名誉教授)

東北大学、群馬大学に在職中に実施した実践的データベース開発について述べる。

1. 歯科矯正学分野におけるマルチメディアデータベース開発
1978年頃東北大学歯学部矯正科からの研究相談に応じる形で研究が始まった。臨床で歯科
医が頭部X線規格写真をトレースして作成している頭部線図形、さらには口腔内写真、顔写
真、石膏模型写真などをデータベース化して症例管理や類似症例の検索などをするための
マルチメディアデータベースを開発した。利用者要求を反映した実践的な症例データベー
スシステムである。

先ず始めに頭部線図形処理システムを開発して図形から特徴点や特徴量を自動抽出し、そ
れらを基にした図形の関係データベースを構築した。これにより類似頭部線図形検索が可
能になった。その他の画像写真などはアナログ光ディスクを利用して格納し、カルテ記録
の関係データベースにリンクを張る形でマルチメディアデータベース開発を実施した。

可視化問合わせ処理システムで時間的問合わせができることがシステムの特徴の1つであ
る。症例の治療履歴や検査履歴を可視化したカラーグラフ上にペン入力することで容易に
該当症例のマルチメディアデータを検索することができる。

2. 津波ディジタルライブラリ(Tsunami Digital Library, TDL)開発
2002年に京都大学防災研究所の大都市大震災軽減化特別プロジェクト(大大特プロジェク
ト)へ参加し、津波記録データベースを開発することになった。首藤東北大名誉教授が長
年に渡って収集してあった主として東北三陸地方の津波記録資料をデータベース化するこ
とであった。この津波記録は、雑誌、研究論文、古文書に近い毛筆書き冊子、新聞記事、
津波記録の石碑写真とその所在地図、現地調査の写真、CGによる津波シミュレーション映
像などから構成される。データベース化は、ワープロによる活字化とスキャナーによる原
資料のページ単位画像作成などの多大な人手作業であった。これらをXMLデータベース化し
てWEBによる公開を実現した。TDLは現在も開発を継続している。

さらに、退職後の平成21、22年度にはTDLを利用した小、中学生を対象にした文部科学省の
津波防災教育プロジェクトを宮城県気仙沼市教育委員会、東北大学と共同で実施した。平
成23年3月11日の東日本大震災により防災教育時間が新設されたので今後TDLの利活用が一
層進展するものと考えられる。

上記の実践的データベース開発経験から大学では実用システム維持のための人手と予算の
制約から長期に渡ってシステムを安定的に運用することが如何に困難であるかを痛感して
いる。

(金森 吉成 群馬大学 名誉教授)

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■2■ 若手功績賞を受賞して                       大塚 真吾(神奈川工科大学 准教授)

このたびは若手功績賞を頂戴し、身に余る光栄に感じております。ご推薦くださった方々
をはじめ、日本データベース学会の皆様に感謝を申し上げます。

これまでに、DBコミュニティに関連するイベント等で、色々なお仕事をさせて頂いたこと
が今回の受賞要因になっていると思います。これまで私が関わってきたイベントで大きな
問題が起こらなかったのも、色々な方の支えがあったからです。支えて頂いた方々に感謝
いたします。

これまでの自分の学会活動を改めて確認してみると、過去に色々なことしてきたなぁと改
めて感じました。その中でもインタラクティブセッション関連の仕事が多く、特に思い出
に残るのはDEIM2011@修善寺でインタラクティブ会場の広さに対して展示するポスターの数
が多すぎて初詣みたいな状況になってしまったことや、WebDB Forum2009@慶応日吉キャン
パスで、学食の店長さんやダスキンの人と色々打合せをして、滞りなくインタラクティブ
セッションが開催できたことです。また、DEIMのローカル共同委員長も凄く大変な仕事で
したが、500名以上の参加者がいるイベントで特に大きな問題も発生せずに開催することが
できたという経験は、かけがえの無いものだと感じています。

DBSJ Newsletterで、若手業績賞受賞者の記事は初めてなので、何を書こうか悩んだのです
が、学会イベントの運営側に参加したときに参考になりそうな話をしたいと思います。シ
ニアな方には当たり前の話だと思いますので、以下は20代から30代前半の方へのメッセー
ジになります。

学会イベントや学会運営では、判断(決断?)が必要な場面が数多くあります。とても重
要な案件の場合は、その時の委員長などに確認してから行動しますが、それほど、重い案
件でない場合は、基本的には自分の判断で進めることが多いです。なぜなら、大抵の場合、
責任者は偉い先生だったり、忙しい先生だったりするので、メールに気がつかないorレス
が遅いからです。

会社や研究室などでは上司や指導教員の先生に対して「報告・連絡・相談」をすることが
当たり前になっていると思いますが、学会活動の場合は、委員長や◯◯委員などの肩書や
誰が責任者かということは決まってはいますが、各々、本業がありますので、報告や連絡
をすることは良いと思いますが、いちいち確認や相談をしていたら迷惑になってしまいま
す。かと言っても、なにがとても重要な案件で、なにが自己判断で進めていいかはなかな
か判断しづらい場面も出てくるので、私の場合は大体3つに分けて行動をしています。

重要な案件に関して自分で判断するのは責任が重すぎる場合は、回答があるまで、定期的
に催促をします。ここで重要なのは、件名に大至急や困っていますなどの脅し文句(?)を入
れておくことと、本文の最初に判断を仰ぎたい方の名前を書くことです。忙しい先生は常
時未読メールが溜まっている状態なので、本文の最初に自分の名前がない場合や「みなさ
ま」ではじまる本文の場合は、「誰かが応えるでしょ。」と思いレスをすることは稀です。
また、件名が「Re:◯◯・・・」になっているときも、既に進んでいる案件だと思いスルー
されることがありますので注意が必要です。

次に、自分の判断で進めても問題が無いと思う案件については報告する形で、基本的には
相手がレスしなくても良い文章にしておくのが良いと思います。例えば、「◯◯の件は、
☓☓な形で進めています。問題がある場合はご連絡ください。」というような感じでしょう
か?

最後に、判断に迷うときです。多くのケースでは自分の判断は間違っていないことが多い
のですが、不安になることもあると思いますので、私の場合は、回答期限を付けて特に意
見がなければ、話を進めるという形にしています。よくあるケースは研究会などのプログ
ラムを確定させるときです。例えば、「◯◯の件は☓☓で進めたいと思います。問題がある
場合は△/△までにご意見をお願いします。」というような文章にして、件名も新規のもの
にします(「Re:◯◯・・・にしない。」)

あと、最後にお伝えしたいことは、「色々なことを一人で抱え込み過ぎない。」というこ
とです。時間的体力的に無理だと思ったら、早めに委員長などに相談し、誰かに仕事を振っ
たり、新たな委員の追加をお願いするなど、自分の負荷を下げる取り組みをしましょう。
他人にお願いすることは、自分の能力が無いことを認めているみたいで嫌に思う方もいる
と思いますが、全くそんなことはありません。仕事の負荷が大変かどうかはやってみない
と分かりませんし、個人差も大きいです。また、突然、本業が忙しくなったり、プライベー
トで忙しくなることもあります。とにかく、困ったら直ぐに相談しましょう。ずーーーっ
と抱え込んでて、行きなりレスが無くなってしまうことが、責任者側からすると一番怖い
状況です。

以上、とりとめのない文章になってしまいましたが、何か参考になる部分があったら幸い
です。私自身も今度もDBコミュニティに貢献できるよう、よりいっそう精進していきます
ので、よろしくお願いいたします。
 
(大塚 真吾 神奈川工科大学 情報学部 准教授)
 
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■3■ ノンアカデミシャンにとってのデータベース学会 -若手功績賞をはからずも受賞して 
                 岡本 真(アカデミック・リソース・ガイド株式会社)

なんとも恐れ多いのだが、日本データベース学会の若手功績賞を授与していただきました。
大学は学部までしか出ておらず、まして学位は教養学士という私にとっては、思いもよら
ない受賞でした。ご推薦・ご選考・ご審議くださった諸先生方にはただただ感謝申し上げ
ます。はからずもの受賞ではありますが、このうえなく光栄に思っています。

さて、ふりかえってみると、この受賞はこの10年ほどの私とデータベースコミュニティー
の関わりがあればこそのものでしょう。とはいえ、私自身は上記の通り、研究者ではあり
ません。ですが、この10年ほどの間、データベース研究やウェブ研究の世界に対して、ビ
ジネスの側から貢献できることは何か?を問いとして常に持ち続け、それなりの努力はし
てきたつもりです。

まずは当時在職していたYahoo! JAPANをはじめ、ウェブ系企業の方々を誘い、各種学会イ
ベントへのスポンサードを実現してきました。次いで当時担当していたYahoo!知恵袋の投
稿データを研究用データセット化し、この種のデータセットが増えていくきっかけの一つ
をつくりました。こういったビジネスサイドからのアカデミアへの貢献が、実際のところ
どれくらい研究者の方々のお役に立ったのか、実際のところはわかりません。ですが、た
とえば、ときおり遭遇する研究用データセットを使って修士論文をまとめましたという院
生らの存在を思うと、やはりなんらかの役割は果たせたのではないかと安堵もします。

その後、2009年にヤフーを退職し、現在の会社を興していまに至ります。自分の会社では
ライブラリーやミュージアムといった公共施設をプロデュースする事業と並行して、産官
学連携のコーディネートにもあたっています。そして、この事業はいまの私の会社の大き
な柱になっています。それもこれも、本学会のご縁があればこそのことです。いただいた
ご恩と今回の授賞の栄誉を忘れることなく、引き続きデータベースやウェブの研究に邁進
されるみなさまの下支え役を務めていきたいと思っています。ぜひ、いつでもどんなこと
でも、「こんなことができれば研究が進捗するのだが」というご相談をお気軽にお寄せく
ださい。それが私にできる恩返しなのですから。

(岡本 真 アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役/プロデューサー)


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■4■ 日本データベース学会若手功績賞を受賞して   土方 嘉徳(関西学院大学 准教授)

この度は、日本データベース学会若手功績賞を授与くださり、まことに光栄であります。
私はデータ工学の研究室で学位を取ったわけではないのですが、そのような者に対しても
受賞の機会を与えてくださった日本データベース学会の懐の深さに感謝いたします。私は、
ヒューマンインタフェースの研究室で学位を取りました。しかし、私自身はWebにおける情
報検索や情報抽出の研究がやりたかったため、Web上のデータを扱う学会に出て勉強や発表
をするようになりました。そこで2002年頃から、夏のデータ工学ワークショップやDBWeb、
DEWSなどに参加し、最新のWeb研究について勉強し、自らの成果の発表を行いました。

これらの学会に出て専門知識がついたのはもちろんですが、何より自分の財産になったの
は、そこで得られた人脈でした。データ工学のコミュニティでは、合宿形式の学会が多く、
若手を対象としたイベントも開催されていたため、私のように単独で乗り込んできたよう
な者でも、すぐに友達ができました。いずれの学会も、若手が中心となって運営を進めて
いたので、私もこれらの運営に携わるようになり、DBコミュニティの一因となることがで
きました。

DBコミュニティの学会の中でも、何より私が思い入れをもっていたのは、DBWeb(現在の
WebDB Forum)でした。企業からの参加者も多く、自分の研究成果をビジネスの現場にいる
人たちに熱心に聞いてもらえたことは、大変励みになりました。また、査読のあるシンポ
ジウムでしたので、発表することで達成感も感じることができました。その後、WebDB 
Forumについては、京都産業大学の中島伸介先生や筑波大学の森嶋厚行先生と、取りまとめ
を行うことになり、より企業の人と大学の研究者や学生が交流を行えるものにしていきま
した。このような産学の交流の機会があるのは、WebDB Forumを置いて他にないと思います
ので、ぜひ大事にしてもらえたらと思います。

私自身は、これまでWebにおける情報獲得の問題に対して技術的に解決を行うアプローチを
とってまいりましたが、2017年4月1日より関西学院大学商学部にて教鞭をとることになり
ました。今後は、Webのデータを用いて、人の内面(心理)や社会現象のモデルを解明した
り、人の行動や今後のイベントの予測を行うような、情報学と社会学、心理学を融合する
ような研究をしてまいりたいと思います。DBコミュニティに新しい風を呼び込めるように
頑張りたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。


(土方 嘉徳 関西学院大学商学部 准教授)

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■5■ 日本データベース学会若手功績賞受賞にあたって  吉田 尚史(駒澤大学 准教授)

今回は若手功績賞を頂き、大変光栄に存じます。受賞にあたって改めて感じることは、何
事にも、いかに目に見えない支えが多いかということです。どの活動でもそうだと思いま
すが、活動の目的を達成するためには、目に見える支えと、目に見えにくい支えがあるよ
うに思います。ここでそれらの学会活動への貢献について、例をご紹介します。

例えば、近年のデータベース分野の学会運営では、実行委員長やプログラム委員長をはじ
め、会場運営幹事や広報幹事など、多数の役割があります。発表者や参加者にとっては、
それらの役割は重要ですが、上手く進行していて当然というのが前提です。見えにくい貢
献ではありますが、中の人は大変だというような、およそのイメージだけは共有されてい
るのではないかと思います。

もっと見えにくい例としては、論文誌編集委員と思います。データベース分野においては、
TODや電子情報通信学会論文誌DEIM特集号の、幹事・編集委員・査読委員が該当します。ご
存知のように、査読委員は論文を査読し、編集委員がその査読を取りまとめて査読報告書
を作成し、幹事はさらにそれらを調整・取りまとめをしています。論文誌は学会において
大変重要ですが、見えにくい第一の理由は、研究会やフォーラムなどと違い、対面して議
論するイベントではないためと思います。第二に、査読はそもそも研究者同士のピアレビュー
であり、名前を伏せて進行されるのが通常ですから、そもそも見えてはいけないことにな
ります。第三の理由は、本来、研究者として求められる必要なことと、学会活動への貢献
に必要なことはかなり異なりますので、人によっては運営の重要性が異なるのではと存じ
ます。

以上2例から全てを語ることはできませんが、ボランティア活動で成り立っている学会活
動において、今後も、その両方を踏まえて、全ての研究者は研究活動を行うことが必要で
あると存じます。


(吉田 尚史 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 准教授)

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■6■ 上林奨励賞を受賞して    Adam Jatowt(京都大学 特定准教授)

I feel honoured to obtain DBSJ's Kambayashi award and I would like to express my 
appreciation to the committee and the recommending persons for recognizing my 
research. It is also a special feeling for me to be the first foreigner to 
obtain the prize from DBSJ.

First of all, I was very lucky to meet influential mentors during my life path 
who, by their guidance, helped me to grow as a researcher and to reach the place 
I am now. I liked the topic of history since I was a child and I often spent 
time visiting libraries or reading history-related novels. Then, I was lucky to 
enter the particular time period of science and engineering in which any topics 
and themes, even ones weakly related to the traditional (core) computer science 
(e.g., history, sociology, humanities, biology) could be researched and fostered 
in the context of informatics. I could then continue my interests and passion as 
a computer science researcher. At the beginning, I focused however too much on 
studying web archives with web documents being the main research target and 
processing unit. Fortunately, later, following the advice of my mentor, I 
extended my work into considering higher level concepts such as entities, events, 
memories, etc. and the multitude of interesting research topics centered around 
their interactions in the context of time and evolution. 

I benefited also much from collaboration with other researchers both in Japan 
and abroad thanks to which I got novel ideas and started using new research 
methods. I think one of the biggest joys and advantages of researcher's work is 
the ability to freely choose with whom and about what to collaborate. I would 
encourage other researchers to make many friends at conferences, especially, 
international ones to find new collaboration opportunities. There are various 
levels of possible collaboration that could be pursued starting from simple 
exchange of ideas via emails, organizing workshop/tutorial together, writing a 
survey paper and, finally, jointly working on a given research problem or 
submitting a grant proposal. Overall, I think that collaboration is very 
enriching and should be sought after in research.

During my career, I had several ideas which I was considering to develop but 
which I never had time or any particular trigger to start. Many of them were 
later realized quite successfully by others and, so I regret some of these lost 
chances. But they gave me a valuable lesson to constantly look into exciting 
research topics to pursue which are not "discovered" yet but which have a good 
chance to be very popular in the long term. 


(Adam Jatowt 京都大学 情報学研究科 特定准教授)

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■7■ 日本データベース学会上林奨励賞を受賞して
                   西田 京介(日本電信電話株式会社 主任研究員)

この度は上林奨励賞という名誉ある賞を頂き、誠に光栄に存じますとともに、深くお礼申
し上げます。ご推薦くださった方々をはじめ、日本データベース学会の皆様に感謝を申し
上げます。そして、これまでご指導頂きました皆様に改めてお礼申し上げます。

私がこれまで取り組んできた研究テーマは多岐に渡ります。大学の博士課程ではconcept 
driftという学習対象が時間と共に変化する問題について、NTT研究所に入社してからは、
Q&AコミュニティやSNS・マイクロブログを対象としたWebマイニング、スマートフォンなど
から得られる移動軌跡やセンサ情報を分析するユビキタスコンピューティングについて、
それぞれ新たなアルゴリズムの研究開発に取り組んできました。そして、最近では深層学
習による自然言語処理を軸として、豊かな知識や判断能力を持って、人の代わりを務めた
り、人を手助けしたりする人工知能技術について取り組んでいます。企業研究者として「
社会に求められている研究テーマに関してタイムリーに学術貢献と実用化を果たす」とい
う挑戦に面白さを感じる一方で、特定の分野や技術で継続的な貢献ができていないことに
葛藤があったのですが、今回の受賞においてそれぞれの研究成果を認めて頂けたことは私
にとって大きな励みになりました。誠にありがとうございました。

近年のデータベースやメディア・データの多様化・大規模化、そして深層学習を始めとし
たアルゴリズムの発展によって、従来は全く出来なかったことが出来るようになってきた
ことに、今はとてもワクワクしています。私はこれまで研究テーマを考えるときは、“
Think outside the box”の気持ちで、既存の考え(=箱)にとらわれないことを大事にし
ていましたが、今回の受賞を励みに、これからは自らが新しい箱を作る意気込みを持って
研究コミュニティに貢献していきたいと思います。そして、研究者を志した時の初心であ
る「世の中で広く使われる技術の創出」を目指して、よりいっそう精進していく次第です。
何卒よろしくお願いいたします。

(西田京介 日本電信電話株式会社 NTTメディアインテリジェンス研究所 主任研究員 )

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■8■ 上林奨励賞を受賞して      白川 真澄 (ハッピーコンピューター株式会社)

上林奨励賞という名誉ある賞を頂けたこと、誠に光栄に存じます。ご推薦くださった方々
をはじめ、日本データベース学会の皆様に深く感謝申し上げます。

「受賞は運」とはよく言いますが、例外に漏れず、私が本賞を受賞できたのも運によると
ころが極めて大きいと感じます。素晴らしい人々との出会いや、奇抜な研究テーマとの巡
り合わせなど、様々な幸運があってはじめて受賞に至ったのだと思います。では運以外の
要素には何があったのか?もちろん、自分なりに研究を頑張っていたことは一つの要素だ
と信じていますが、この文章を読む方に私が何か伝えられることがあるとすれば、それは
「環境を選んだ」ということかもしれません。

ご存知かもしれませんが、私は怠け者のぐうたらです。ぐうたらなので、周りから評価さ
れることしかしません。しかし、ぐうたらであるからこそ、評価の枠組みがうまく設定さ
れた環境に身を置いたとき、最大限にパフォーマンスを発揮できます。私は、大阪大学の
西尾研究室で博士の学位を取得した後、複数の候補の中から、同研究室で特任助教として
4年間雇っていただくことを選びました。そのポジションでは、研究に集中できる時間をたっ
ぷりと与えられ、論文をたくさん書くことではなく、本質的に意義のある研究をすること
を求められました。そのような環境の中でじっくりと研究に取り組めたからこそ、「どう
やってそんな研究を思い付いたのか」と尋ねられるような研究成果を生み出せたのだと確
信しています。良い環境を選べること自体が幸運ではありますが、私は、環境次第で私自
身がゾンビのような覇気のない人間に成り下がってしまうことを知っているので、人一倍、
「環境を選ぶ」、あるいは「今いる環境を良くする」ということに重点を置いた生き方を
しています。

 特任助教の4年の任期が終わり、今は招へい教員としてアカデミックの世界と接点を持ち
つつも、普段は小さなスタートアップ企業で働いています。アカデミックの世界からは少
しだけ遠ざかることにはなりますが、世の中に新たな価値を生み出していくという仕事に
変わりはないので、上林「奨励」賞の名の通り、今後も本賞を励みに精進して参ります。

(白川 真澄 ハッピーコンピューター株式会社)


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Daisuke Kitayama
Interactive Media Lab.
Department of Information Systems and Applied Mathematics
Faculty of Informatics
Kogakuin University
Associate Professor, Ph.D
+81 3-3340-2683
kitayama [at] cc.kogakuin.ac.jp

北山大輔
工学院大学 情報学部 システム数理学科
インタラクティブメディア研究室
准教授 博士(環境人間学)
03-3340-2683(内線:2814)
kitayama [at] cc.kogakuin.ac.jp