日本データベース学会

Efficient Clustering Algorithms for Large-scale Graphs

概要PDF

番号 13
氏名 塩川 浩昭
フリガナ シオカワ ヒロアキ
学位名 博士(工学)
取得大学 筑波大学
学位授与日 2015年3月25日
指導教員名 北川 博之
論文題目(主) Efficient Clustering Algorithms for Large-scale Graphs
論文題目(副) 大規模グラフに対するクラスタリングの高速化に関する研究
論文概要等

■ 論文概要  
 本論文では代表的な分析技術のひとつであるグラフクラスタリングを対象とし,大規模グラフクラスタリングの高速化に向けた手法を提案する.具体的には,本論文は3つのクラスタリング高速化手法を提案する.第一の手法では,逐次的なノード集約方式の導入により,モジュラリティに基づくクラスタリングを高速化する.ノード集約方式を導入することでグラフのクラスタ性をとらえ,計算対象となるエッジを効果的に削減する.第二の手法では,SIMD命令を用いたモジュラリティクラスタリングのデータ並列化方式を提案する.グラフクラスタリングでは一般に,データ読み込みにかかるコストが大きく,データ並列化の効果が小さくなる傾向がある.そこで,CRSと呼ばれるデータ表現を導入することで読み込みコストを削減し,データ並列化における効果の向上を行う.第三の手法では,構造的類似度に基づくクラスタリングの高速化方式を提案する.本手法は2hop離れたノードペアに関してのみ計算を行うことで,クラスタ性の高い部分グラフにおける計算コストを削減する.本論文では,実世界の大規模データおよび人工データを用いた実験により,これら3つの手法は既存手法と比較して,同程度の分析精度を保ちつつ高速に分析が可能であることを示した.

■ 学位を取得して
 私は現在NTT研究所に所属しており日々研究開発に勤しんでおります.ですがM1の頃までは研究職に就くとは全く想像しておらず,ましてや博士号については考えもしませんでした.大きな転機となったのは,北川先生の「君が研究を辞めるのはコミュニティにとって大きな損失である」という一言でした.これに限らず,研究活動を通じて,DBコミュニティには若手を育んでいく温かさがあるように感じています.今後はコミュニティの一翼を担う研究者として,このマインドをしっかりと受け継ぎ貢献しく所存です.
 最後に,学位取得に際して多くのサポートをいただいた北川先生,天笠先生,北川研,NTT研究所,DBSJの皆様に厚くお礼申し上げます.今後ともご指導ご鞭撻の程,何卒よろしくお願い申し上げます.

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