■ 論文概要
　XML をはじめとする半構造データが普及しており，半構造データの利活用が重要な課題となってきている．半構造データのもつ柔軟性からしばしば複雑な構造が記述される．このような半構造データを利活用する上で，必要な情報を探しだす検索技術は重要な基礎技術の一つである．本研究では，探索的検索手法であるファセット検索に注目し，半構造データに対して探索的な検索を可能にする手法を提案する．まず，(1) 代表的な半構造データであるXML データに対して，ファセット検索を行うためのフレームワークを提案する．また，(2) XML データは木構造だけでなくグラフ構造も記述可能であり，グラフ構造を有する半構造データに対してファセット検索を可能にする．(3) XML データのXML 部分木を検索対象として抽出する際に，人手が必要となる点について自動化することによってファセット検索を簡単に構築する手法を提案する．加えて，(4) XML データ内のテキストデータをファセット検索の文脈で活用する方法を提案する．

■ 学位を取得して
　私は，学位を取得するまでに４年を要しました．筑波大学の研究科の提示する標準年よりも１年長くかかりました．３年目に博士論文が書けないことが確定した段階で落ち込みはしましたが，諦めずにやってよかったと思います．研究能力についてはまだまだ精進しなければならないと感じていますが，学位取得に向けた孤独に研究に打ち込む経験から頑張っていくための自信を得られたと思います．今後は楽しく研究ができるように励みたいと思います．