日本データベース学会

2022年度 第1回DBSJセミナー「情報系研究者のための医学系研究における倫理や法的課題について」

開催日2022年10月24日(月)

2019年より安全なデータの利活用をテーマにシリーズ開催してきた一般社団法人日本データベース学会のセミナー、今年も無料・オンラインで開催します!

2022年第1回目のセミナーでは、医学系の研究を行う際の手続きや注意点に関連したテーマとなります。ビッグデータ処理技術やAI技術の発展に伴って、データ指向の研究が様々な分野に広がっています。医学系の分野においてもデータ指向型の研究開発が進められていますが、医学系の研究においては様々なガイドラインや倫理審査などを経なければなりません。そこで、本セミナーでは情報学分野の研究者が医学系研究を行うにあたり、注意すべきポイントや処理について法的な課題のみならず学術研究や企業でのシステム開発における講演いただくと共に、実践的な課題と対応などについてパネルにて議論を行います。

2022年度 第1回DBSJセミナー

  • 日程:2022年10月24日(月) 13:00~17:00
  • 場所:オンライン開催(参加申込者にお知らせします)
  • 参加費:無料

日本データベース学会は新型コロナウイルス下での研究活動に影響を受けている方々を支援するため今年度もDBSJセミナーを無料で開催しています。どなたでも無料でご参加いただけますので奮ってご参加下さい。

  • プログラム(13:00~)
    • 開会挨拶(木俵 豊 特命副会長) 5分
       
    • 「学術研究」「生命科学・医学系研究」「観察研究」の趣旨を踏まえた個人情報保護法上のスキーム構築 (60分)

      ひかり総合法律事務所 パートナー弁護士
      板倉 陽一郎 氏
      概要:
      個人情報保護法の2020年・2021年改正及びその後の関連規範の改正により,①国立大学法人等の規律移行法人における個人情報の取扱いは民間事業者と概ね同様となり,②学術研究に関する例外が精緻化された。これに伴い,学術研究に関しても原則として個人情報保護法が適用されることとなり,個人情報保護法と医学系倫理指針が重畳的に適用される場面が増加している。また,公衆衛生例外に関する解釈の変更ないし明文化により,一定の観察研究については学術研究例外ではなく公衆衛生例外での取り扱いが許される場面が想定されるようになった。これらの適用場面は複雑に入り組んでおり,特に,突如,民間事業者の規定への対応を迫られた規律移行法人にとってはスキーム構築は至難である。本講演では,「学術研究」「生命科学・医学系研究」「観察研究」という各概念の趣旨を踏まえた個人情報保護法上のスキーム構築についての取っ掛かりを呈示する。
       
    • 休憩(5分)
       
    • パーソナルデータ利活用のための研究開発から社会実装までの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)への取り組み(45分)

      大阪大学 社会技術共創研究センター(ELSIセンター)センター長
      岸本 充生 氏
      概要:
      AIの社会実装など、パーソナルデータを収集・分析・利用する際、研究開始前から社会実装後まで、そのライフサイクル全体において、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)を早期に見出し、事前に対応するための様々な取り組みについて、ELSIセンターにおける概念的な整理から、企業との共同研究での具体的な活動まで幅広く紹介する。
       
    • 医療AIの研究開発に向けた医学系データの取扱いについて-内視鏡画像解析AIを事例として- (45分)

      NEC デジタルヘルスケア事業開発統括部 上席ヘルスケア技術主幹
      上條 憲一 氏
      概要:
      デジタルヘルスケアにおいて、AIを用いることにより健康維持や診断支援などに向けて、新たな価値をユーザや医師に提供できるようになってきた。我々は、大腸内視鏡検査における病変見逃しを抑制するための画像診断支援AIなどの研究開発を医療機関と共同で行っている。このような医学系データを用いた医療AIの研究開発では大量のデータやアノテーション(ラベル)が必要となるが、関連する法律やガイドライン、指針等を遵守した上でこれらのデータを収集し利用しなければならない。内視鏡画像解析AIを事例として医学系データの取扱いや利用手続きについて解説し、このようなデータを扱う上での課題について述べる。
       
    • 休憩(10分)
       
    • パネルディスカッション(60分)

      テーマ:医療・ヘルスケアデータを扱う情報系研究の活性化に向けた倫理や法的課題と展望
      モデレータ:東京工業大学 横田 治夫 会長
      パネリスト:講演者一同
       
    • 閉会挨拶(横田 治夫 会長) 5分
       
お知らせ