日本データベース学会

ネットワークにおける機能的類似ノード群の抽出

概要PDF

番号 4
氏名 伏見 卓恭
フリガナ フシミ タカヤス
学位名 博士(学術)
取得大学 静岡県立大学
学位授与日 2014年3月18日
指導教員名 斉藤 和巳
論文題目(主) ネットワークにおける機能的類似ノード群の抽出
論文概要等

■論文概要
本研究では,新たな視点でのネットワーク構造の把握を目的に,従来のリンク密度に基づくコミュニティとは異なり,機能コミュニティと呼ぶノード群の抽出を課題とする.機能コミュニティとは,ネットワークにおけるノードの相対的位置や役割,階層的地位,次数などの性質が類似するノード群を意図する.機能コミュニティ抽出のため,各ノードのPageRank収束過程のスコア推移に基づき,ノードをクラスタリングする方法を提案する.この手法は,各ノードに対して,1ステップで辿れる隣接ノードにメールをランダムに渡す試行を繰り返した際(ランダムウォーク),各ノードがメールを受信する期待値の時間変化を各ノードの機能ベクトルとして定義する.機能ベクトル間の類似度を計算し,類似度に基づきいくつかのノード群に分類する.さらに,ランダムウォークに基づく基本手法をベースにリンクの向きを考慮した有向機能コミュニティや各ノードの視点に基づくパーソナライズ機能コミュニティなどの概念を提案し,それらを抽出する手法を提案する.本稿の各章では,手法による結果の違いや有効性を評価するために,人工ネットワークおよび現実ネットワークを複数用いた評価実験を行う.提案する各手法や既存手法により得られる実験結果の違いについて比較評価する.

■学位を取得して
博士課程では,学部や修士課程までの頃と異なり,既存の研究とは異なる独創的
な研究が求められていました.かつ,その研究を論文としてまとめ,自分の論文が研究の最先端であることを証明するために学会での学会発表や学会誌への投稿を目指して,常に実験や論文を書いている状態でした.そのような3年間の生活により,実験,結果の考察,論文執筆という習慣が身に付きました.また,在学中は指導教員から定期的に指導が受けられたため研究能力が向上するのを感じることができました.博士号取得したからには,指導教員の指導がなくても研究を遂行することが求められるため,今後のことを考えると,身が引き締まる思いです.

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