■ 論文概要（プレーンテキスト）
年，無線通信技術と計算機の小型は，著しい進歩を遂げている．これにより，新たなネットワーク形態として，モバイルアドホックネットワークへの関心が高まっている．モバイルドホックネットワークは，移動端末のみで構築される一時的な無線ネットワークで，基地局などの通信インフラを必要としないという特徴から，災害地での救助活動などへの応用が期待されている．
一方で，情報量の増加と多様化に伴い，膨大なデータの中から必要なデータのみを効率的に検索する技術が求められている．その一つとして，指定した条件に関連する上位k個のデータを検索するTop-k検索が幅広く研究されている．
本研究では，モバイルアドホックネットワークにおける効率的なTop-k検索処理の実現を目的としている．特に，通信量と検索結果の精度に着目し，いかに小さい通信量で正確な結果を取得するかを目指している．例えば，被災地において，救急車が1台空いている場合では，救急隊員らが持つ端末に記録している被災者の情報のうち，最も重症である被災者の情報のみが必要なケースが考えられる．このとき，提案する検索処理方法により，通信のためにかかる端末のバッテリ消費を抑えつつ，必要なデータを取得することが可能となる．

■学位を取得して
まさか自分が博士まで進むとは，学部生の頃には，夢にも思っていませんでした．先生，家族，友人などの支えがあり，博士を取得することができました．多くの方にご迷惑お掛けした分，これから恩返しをできたらなと思っています．また，一方で，博士取得は通過点でしかないということも実感しております．これから研究者として，世の中のためになるよう，さらに日々努力していきます．その中で，自分も楽しみつつ，研究することができたらこの上ない幸せです．