プログラム
9:30 受付開始
9:55 開会の辞
増永良文(青山学院大学)
10:00〜12:00 Session 1 特別企画 『ソーシャルコンピューティングと社会,そしてビジネスチャンス』(座長:江渡 浩一郎(産総研))
1. ソーシャル・コンピューティングによるレジリエントな社会の実現
村上 明子 氏(日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所)
実世界での出来事をテキスト,あるいは行動データといった写像として捉えることのできるソーシャル・コンピューティングは,ある意味実社会のセンサーともいえる.本講演では,ソーシャル・コンピューティングを社会センサーとしてとらえ,そのログであるテキストデータ・行動データを分析することにより,どのような知見が得られるのかをIBMで行ったオンライン・ディスカッションであるJamや,震災時などの風評被害分析など具体的な例を挙げて解説する.
2. E-Commerceにおけるソーシャルメディアの活用
平手 勇宇 氏(楽天技術研究所)
近年のソーシャルメディアの普及により,ソーシャルメディア上でのユーザトラフィックが増加してきている.このような状況下で,ソーシャルメディアを如何に活用し,ソーシャルメディアから如何にしてユーザを呼び込むのかが重要なポイントとなっている.本発表では,Rakuten S4, Shop togetherなど,楽天におけるソーシャルメディアに対する取り組みを紹介するとともに,Twitterを例にとり,ソーシャルメディア上での楽天に関するユーザ行動の解析について紹介を行う.
3. お客様共創ラボラトリーにおける価値創造のフレームワーク
堀切 和典 氏(富士ゼロックス(株)R&D企画管理部)
徹底したお客様視点での新たな価値創造を目指す「お客様共創ラボラトリー」は,弊社における経営課題解決の実践事例を基にお客様と対話を行なう場の「オープンラボラトリー」と,そこから得られた新たな価値創造の種をお客様と共に新たな価値創造の芽に仕立てて検証する場の「セキュアラボラトリー」で構成される.本講演では,お客様共創ラボラトリーにおける価値創造のための,プロセス,コンピューティング環境,ファシリティ環境について,これらがどのように開発・運用されているかを,2年間の実績に基づいて解説する.
4. ソーシャルメディア分析のビジネス活用最前線
―マーケティング活用から株式市場予測まで―
内山 幸樹 氏((株)ホットリンク 代表取締役社長)
ソーシャルメディア上には,現実世界の現象が鏡のように投影されており,ソーシャルメディアデータをリアルタイムに収集・分析できることは,現実世界の人々の頭の中を人工衛星から覗きこむことができるようになったとも言える.本講演では,その技術がビジネス上どのように活用されているのか,最新の事例及び課題について紹介する.
12:00〜13:00 ランチ@your own + SoC2012企画・プログラム委員会
13:00〜15:00 [セッション2] 特別企画 『SNSを科学する!』(座長:土方 嘉徳(大阪大学))
1. 社会ネットワークの概論と震災におけるSNSの効用
栗原 聡 氏(大阪大学)
現実世界やSNSにおける人と人の繋がり方は,スモールワール性とスケールフリー性を有する複雑ネットワークである.これは,一般的に我々が社会組織を管理運営するために利用する木構造型の繋がり方などとは大きく異なるものである.そこで,複雑ネットワークの簡単な復習と,今回の震災において問題視された,人と人との繋がりが引き起こすデマや風評の問題と複雑ネットワークとの関係についての話題を紹介する.
2. SNSとゲーム理論(人はなぜ投稿するのか?)
鳥海 不二夫 氏(東京大学)
SNSは,多数のユーザによる自発的な記事の投稿がおこなわれることで価値がうまれる.一方で自発的な参加にはコストが必要であり,自ら貢献することなく利用するフリーライドへの誘惑がある.そこで我々は,SNSを公共財ゲームによってモデル化し,SNS上で自発的な記事の投稿が達成される条件を明らかにした.
3. 社会ネットワークにおけるコミュニティの機能抽出
風間 一洋 氏(NTT未来ねっと研究所)
従来は,リンク密度に基づいてコア部を抽出する,又はネットワークを切断するコミュニティ抽出法が用いられてきたが,ネットワークをランダムウォークする際の類似経路構造を探すことで,ネットワークに対する役割や機能,立場の類似性に基づいてノードを分類する新しいコミュニティ抽出法を紹介する.
4. 社会的相互作用としてのSNSにおける仲間作り
安田 雪 氏(関西大学・社会ネットワーク研究所)
ソーシャルメディアは知人数を増加させるが,そこで形成・維持される関係は,仲間,人脈,情報源に発展しうるのか.本報告では,(1)知人,友人,仲間,人脈について,それぞれの特性を考察し,(2)震災直後のデマの拡散プロセスを事例としてとりあげ,ソーシャルメディア上の知人・友人・仲間との社会的相互作用がもつ情報価値について議論を行う.
15:00〜15:15 Coffee break
15:15〜15:45 [セッション3-A] 「ソーシャルコンピューティング研究最前線」(座長:飯沢篤志((株)リコー))
1. コリンク構造に着目した多重グラフの分析法
○小出明弘(静岡県立大学)・斉藤和巳・風間一洋・鳥海不二夫
2. Twitterを用いた群衆の移動に基づく認知地図の生成
○若宮翔子(兵庫県立大学)・李龍(NICT)・角谷和俊(兵庫県立大学)
3. ソーシャルメディア解析:東日本大震災に関する時系列話題遷移の抽出
○橋本隆子(千葉商科大学)・久保山哲二・バサビ チャクラボルティ・白田由香利
4. プロフィール情報とフォロー関係を組み合わせたTwitterユーザコミュニティの抽出手法
○奥谷貴志(早稲田大学大学院)・藤木紫乃・山名早人
5. 知識体系(BOK)創成支援システムWikiBOKの研究・開発
○増永良文(青山学院大学)・石田博之・伊藤一成・伊藤守・清水康司・荘司慶行・高橋徹・千葉正喜・長田博泰・福田亘孝・正村俊之・森田武史・矢吹太朗
6. 情報拡散モデルに基づくツィート系列からのバースト期間検出
○大原剛三(青山学院大学)・斉藤和巳・木村昌弘・元田浩
7. ブログ記事の時系列分析に基づくブロガー先読み度分析手法の提案
○朝永聖也・中島伸介(京都産業大学)・アダムヤトフト・稲垣陽一・中本レン・張建偉・田中克己
8. SNSからの耳寄り情報抽出手法の提案
○服部祐基(甲南大学大学院)・灘本明代
9. 情報発信者から受ける分野ごとの影響度を利用したレコメンド方法
○佐藤妙(NTTサイバーソリューション研究所)・伊藤浩二・藤田将成・小林稔
10. 多言語Wikipediaを用いたWikipediaの高品質な情報補完手法の提案
○藤原裕也(甲南大学大学院)・鈴木優・小西幸男・灘本明代
11. Human-powered Join処理に対するクラウドソーシングを用いた効率化手法の評価
○三津石智己(筑波大学大学院)・森嶋厚行・品川徳秀・青木秀人
12. Visualization of Economic Situation after East Japan Earthquake Disaster
○白田由香利(学習院大学)・橋本隆子(千葉商科大学)・佐倉環(日本経済研究センター)