日本データベース学会

A Study on User Location Inference in Social Media

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番号 11
氏名 山口 祐人
フリガナ ヤマグチ ユウト
学位名 博士(工学)
取得大学 筑波大学
学位授与日 2014年3月25日
指導教員名 北川 博之
論文題目(主) A Study on User Location Inference in Social Media
論文題目(副) ソーシャルメディアにおけるユーザ位置推定に関する研究
論文概要等

■ 論文概要
ソーシャルメディアの登場は人々に情報発信の場を与えた.世界中から膨大な情報がリアルタイムに発信されているため,ソーシャルメディアの投稿された情報を用いると実世界をモニタリングすることが出来ると考えられる.政府などの公共機関はこれらの情報を用いて政治や経済、公共衛生の分析などを始めている。
上記のような実世界のモニタリングを行うには、ある投稿がどこに済むユーザからのものなのかを知ることが非常に重要である。しかし,プライバシなどの問題から、多くのユーザは自らの居住地情報を公開していない.従って,本研究ではユーザの居住地情報を推定することで,先に述べた分析例への活用などを可能にする。
具体的には,本論文では三つの異なるユーザ居住地推定手法を提案する.一つ目は,ソーシャルグラフにおけるグラフランドマークと呼ばれるユーザを活用する手法である.グラフランドマークとは,例えば地方の天気予報アカウントのような、特定の地域から多くの注目を集めるようなユーザの事である.2つ目は,実世界におけるイベント(地震や竜巻など)を活用してユーザの居住地を推定する手法である.3つ目は,ソーシャルメディアでは時々刻々とコンテンツが投稿されていることを利用してオンラインでユーザの居住地を推定する手法である.実施した実験によると,これら三つの新しい手法は既存手法による精度を上回る結果を示した.精度の向上や推定のオンライン化はユーザの居住地情報の新たな活用に繋がると期待される.

■ 学位を取得して
私は学位を取得する過程で三つのことを学びました。一つ目は、研究成果が出揃った後に論文の形にまとめる段階がとてもつらいということです。成果をまとめている間はいろいろな「研究したい題材」に着手したくなります。2つ目は、成果を出すのを急ぐあまりに、早く論文を投稿したくなる、また発表できるようなネタを選びがちということです。3つ目が一番重要だと感じましたが、博士論文をいざ提出しようとなると、自らの研究成果がまだ不完全だと感じたり、論文自体がまだ粗いと感じたりします。しかし、博士論文を提出して学位を取ることがもっとも重要です。学位を取るのに値している、また指導教員の先生に認めて頂けそうであれば、とにかく提出すべきです。以上三つの「悪魔の囁き」に耳を貸さず、「グッとこらえて」一歩づつ計画的に進んでいくことが大事だと痛感しました。

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